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血管外科

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤とは

 私たちの身体には動脈と静脈の2種類の血管があります。 動脈は心臓から送り出される酸素を取り込んだ血液を体中に届ける筋肉の厚い弾力のある血管、静脈は体の各部から老廃物を含んだ血液を心臓に戻す働きをし 逆流しないよう血管の中には弁がある血管です。

 二足歩行の「ヒト」は脚の血液は重力に逆らって下から上に流れます。この血液の流れはふくらはぎの筋肉によるポンプ作用と静脈弁のはたらきが大きく作用しています。
筋ポンプ作用は、歩いたり、足首を動かしたときにふくらはぎの筋肉が収縮と弛緩を繰り返して深部静脈を圧迫してポンプのように血液を押し上げます。 しかし、筋ポンプの作用だけでは血液は逆流してしまい、心臓にもどりません。 血液の逆流を防ぐ静脈弁と筋ポンプが両方はたらいて初めて血液は心臓にスムーズに戻ります。

 このときに静脈弁が何らかの原因で壊れると血液が逆流して、この壊れた静脈弁の下にある静脈に血液が溜まり、 そのまま何年も経過するうちに静脈の壁が伸びて血管が太くなり、さらに太くなると曲がりくねった状態が瘤(こぶ)になります。これが「下肢静脈瘤」です。
 下肢静脈瘤は老廃物を含む血液が脚にたまったり、静脈の圧が高くなることによる炎症で様々な症状がおこります。

症状
治療

保存療法
軽度の場合や逆にすぐ手術出来ないほど重度の場合は、保存的治療を行います。
 ・ コンプレッションタイツ(圧迫弾性ストッキング)の着用
    脚を締め付けることでふくらはぎの筋ポンプ作用を助けます。
 ・ 運動やマッサージなどによる生活習慣の改善

ストリッピング手術
弁が壊れて逆流を来たす静脈を引き抜く手術です。足の付根と足首の2ヶ所を切開して静脈瘤のある血管に抜去用のワイヤーを通し、血管と糸で固定します。 ワイヤーを引き抜くことで対象となる静脈を引き抜きます。
全身麻酔や下半身麻酔(腰椎麻酔、硬膜外麻酔)で手術するため、3~5日程度の入院が必要になります。 術後の痛みや出血、神経障害などの合併症が起こる可能性があります。

硬化療法
静脈瘤を起こしている血管の中に硬化剤を注射して、血管の壁を癒着させます。癒着して硬くなった静脈は、約半年ほどで吸収されて消えてゆきます。
大きな静脈瘤には有効でなく、治療された血管がしこりになったり、色素沈着して消えるまでに1~2年要することありますが、手術のように傷を残すことが無い、 体への負担が少ない、といった利点がありますが、進行した静脈瘤には治療の効果が期待できない場合もあります。



動脈疾患について

 

動脈疾患については当院循環器内科と連携しながら治療方針を決定しています。

代表的な動脈疾患
胸部・腹部大動脈瘤
どちらの大動脈瘤も自覚症状がなく大きくなる場合が多く、周囲の組織が圧迫されるようになります。 胸部大動脈瘤では反回神経(声帯にはたらく神経)や気管や食堂を圧迫することで、しわがれ声や呼吸困難、食べ物を飲み込むことが困難になるなどの 症状が現れる場合があります。また腹部大動脈瘤は体の深部や腰に鈍痛を感じたり、お腹に拍動性主流を感じることもありますが、脂肪が厚かったり 動脈瘤が小さいと分からないこともあります。
大動脈瘤が破裂した場合、胸部では胸部に激痛が、腹部では激しい腹痛や腰痛が起こり、はどちらも破裂による出血多量でショック状態に陥り、死に至ることもあります。
大動脈瘤の破裂を予防するために降圧剤で血圧をコントロールしたり、瘤が大きくなるようなら人工血管に置換する手術が必要になる場合があります。

大動脈解離
大動脈の内層が裂け、その裂け目に血液が勢いよく流れ込んで外層と内層を引き剥がされた状態を大動脈解離といいます。 動脈硬化による血管壁の劣化や外傷による胸部の強打、まれに先天性の疾患(マルファン症候群など)等が原因として挙げられます。 突然の胸または背中の杭が突き刺すような痛みや、症状が進むにつれ胸から腹、脚へと下向きに移るのが特徴です。 いきなり意識消失やショック状態となることも少なくありません。
裂けた内層と外層の間に血液が溜まり血流を圧迫するとその動脈が血液供給する各臓器で虚血壊死を起こしたり、薄くなった動脈の外壁から血液が漏れ出したり 破裂したりすると緊急手術が必要となります。
解離を起こした場所、経過した時間によって治療方法は異なりますが、解離が広がらず落ち着いていれば安静に日常生活をおくりながら、定期的な通院で血圧管理のための投薬を行うこともあります。

末梢動脈疾患(PAD)
足の動脈の内側にコレステロールがたまったり血管に負担がかかりつづけることで動脈硬化を起こし血液の流れが悪くなり、足がしびれたり、痛んだり、歩きにくくなるといった症状が現れる病気です。
さらにPADが悪化すると、足に潰瘍ができたり壊死したりすることもあり、ひどい場合は足の動脈を手術しなければなりません。
また、PADと同じ動脈硬化を原因とする病気である狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを合併することが多いので注意が必要です。

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