診療科・部門案内

呼吸器外科

特色

  • ■ 呼吸器センターとして呼吸器内科と協力しながら診断から治療まで包括的に行っています。
  • ■ 理学療法士と連携をとりながら術前・術後にリハビリテーションを行っています。
  • ■ 手術は肺がんを含め全体の85%を完全胸腔鏡下手術で行っています。
  • ■ 手術症例にはクリニカルパスを導入し、質の高い医療を標準的に提供することを目指しています。
  • ■ 縦隔鏡検査・胸腔洗浄細胞診を行い、正確な病期診断・治療方針決定に努めています。
  • ■ 呼吸器外科専門医制度認定施設、大阪府がん診療拠点病院として、手術・術前導入化学放射線治療・術後補助化学療法や 再発がんに対する集学的治療も積極的に行い、治療成績の向上に努めています。


主な対象疾患と治療
肺腫瘍
* 原発性肺がん 
組織学的に小細胞がんとそれ以外の非小細胞がんの2つに大きく分類されます。 小細胞肺がんは進行が速く、脳・リンパ節・肝臓・副腎・骨などに転移しやすい悪性度の高いがんですが、 抗がん剤や放射線治療が比較的効きやすいタイプのがんです。 非小細胞肺がんはさらに、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、腺扁平上皮がんなどの組織型に分類されます。 非小細胞肺がんで臨床病期Ⅰ期、Ⅱ期、及びⅢ期の一部では手術が考慮されます。 標準手術は肺葉切除(あるいは肺全摘)およびリンパ節郭清(リンパ節切除)ですが、区域切除、部分切除をといった縮小手術を行うこともあります。 心臓や肺機能障害などにより手術が勧められない場合もあり、放射線療法や抗がん剤による化学療法など、それぞれの状態に合わせて必要な治療方法を選択します。
* 転移性肺腫瘍 
肺は非常に血流が豊富なため、いろいろな部位に発生したがんが転移しやすい臓器です。 ほかの臓器のがんが肺に転移してできた腫瘍を転移性肺腫瘍といいます。
原発巣のコントロールが良好で肺以外に転移がなく、その数が数個以下の場合は、手術での切除を検討します。
* 肺良性腫瘍
肺良性腫瘍には過誤腫、硬化性血管腫、軟骨腫、脂肪腫、平滑筋腫などの種類がありますが一般的に無症状で大きくなる速度も遅く、通常は他の臓器に転移することもありません。 しかし、稀に腫瘍ができた部位などによって「せき」や「たん」、気道の圧迫による「肺炎」を起こし、治療(手術)が必要になることがあります。 また画像だけでは良性腫瘍か悪性腫瘍か判断できない事も多く、診断と治療を目的に手術を行うこともあります。

胸膜・胸壁腫瘍
* 悪性胸膜中皮腫
悪性胸膜中皮腫では胸痛、咳、大量の胸水による呼吸困難や胸部圧迫感があります。また発熱や体重減少がみられることもありますが、これらは中皮腫の特徴的な症状とはいえず早期発見が難しい病気です。 肺がんとの鑑別が難しい場合も多く、胸に針を刺して胸水中の腫瘍細胞を調べたり、局所麻酔または全身麻酔下での生検(組織採取)で診断を確定する必要があります。 治療法には、外科的療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)、対症療法などがあり、どのような治療を行うかは病期や全身状態により決定されます。

気胸
肺の表面にできたブラ(のう胞)が破れたり、肺に穴が開いて空気が漏れてしまう病気です。 軽度の場合は経過観察で治癒することもありますが、虚脱(肺の縮み具合)が強度な場合は胸にチューブを入れる胸腔ドレナージで空気を体外へ誘導(脱気)します。 大量の出血を伴ったり、胸腔ドレナージが長期になったり、気胸を繰り返す、または反対側に気胸の病歴がある場合には外科的治療が必要となります。

感染症
* 非結核性肺抗酸菌症
結核菌以外の抗酸菌が肺に入り発生する感染症です。 土や水などの環境中に広く存在する菌で、結核菌とは異なり人から人には感染しません。 数年から10年以上かけてゆっくり進行することが多く、普通の免疫状態であれば結核のように急速に進行することは稀です。 たんや肺の中の菌を調べ、その菌に合った服薬治療を行います。 治療期間は長く、治療終了後も再発しないか定期的に画像検査の必要があります。再発すれば治療を再開します。 病変の広がり、症状などによっては基礎疾患や全身状態、肺機能、年齢をなど総合的に判断し、病巣を切除することがあります。
* 肺真菌症
肺真菌症は空気中などの環境中に存在する真菌(カビ)を吸い込むことによって起こる病気です。健康な人に深在性真菌症(肺や脳などへの感染)が起こることは稀です。 免疫抑制剤やステロイドを飲んでいたり、白血病や抗がん剤によって正常な白血球が減少しているなど、抵抗力が落ちている人に起こりやすい病気です。 アスペルギルス、カンジダ、ムコール、という種類のカビが日本では原因の多くを占めています。 クリプトコッカスや海外の一部の地域に生息する真菌は健康な人にも病気を引き起こすことがあります。
アスペルギルスの感染によって起こる肺アスペルギローマでは、球菌と呼ばれる菌の塊が空洞内にできるため、空洞を含んだ肺を切除するのが根治治療と言われています。 慢性壊死性肺アスペルギルス症、侵襲肺アスペルギルスは基本的に抗真菌薬で治療しますが、経過により手術を考慮します。
いずれも原因となっている真菌や病気の種類、持病により治療法を検討します。
* 膿胸
細菌による感染で胸の中に膿が溜まる病気を膿胸と言います。抗生物質の発達した現在も治癒しにくい疾患です。 抗生剤の点滴治療、膿を胸腔外へ排出させる胸腔ドレナージなどでまず治療しますが、内科的治療に抵抗性の場合は外科的な手術治療を必要とすることもあります。

縦隔腫瘍
胸膜によって左右の肺のあいだに隔てられた心臓、大血管、気管、食道、胸腺、リンパ節、神経節などの臓器があるところを縦隔といい、そこにできた腫瘍を縦隔腫瘍といいます。 多くは無症状ですが腫瘍が周りに拡がると、胸痛、肩痛、咳、喘鳴(呼吸時にゼーゼー、ひゅうひゅう音がする)、嗄声(声かすれ)、呼吸困難、嚥下障害(飲み込んだときにつかえる感じ)などが出現します。 代表的なものとして胸腺腫、胸腺がん、先天性嚢腫、奇形腫、神経由来の腫瘍、リンパ腫瘍などがあります。切除可能な場合は原則として手術により切除します。 最近は胸腔鏡手術を行う場合もあります。悪性腫瘍で進行した場合には手術、化学療法、放射線治療を組み合わせて治療を行います。

胸部外傷
偏位のある骨折やflail chest(胸壁動揺:患者の呼吸運動によって起こる胸腔内圧に対し他の肋骨とは独立した運動をみる肋骨骨折様式。動揺胸郭ともいう。激痛を伴い患者の呼吸を著しく障害する。)、 気胸、血胸などに対し手術を行うことがあります。
胸腔鏡手術

当院では良性疾患から肺がんまで、積極的に胸腔鏡手術を行っています。
傷口は3㎝程度です。痛みが少ない、入院期間が短い等のメリットがあります。この治療がむいているかどうかは、ご相談の上判断します。
 お問い合わせは、呼吸器外科外来担当医師までお尋ね下さい。

治療実績

平成24~28年において全手術600件の内、術死・在院死は間質性肺炎の急性増悪による1件(0.17%)でした。 また、化学療法は年間約260件ほど実施し、より安全で低侵襲な手術と最大効果を期待できる集学的がん治療を目指しています。

治療実績
各学会認定の認定医・専門医教育指定等状況

―呼吸器外科―
呼吸器外科専門医合同委員会基幹施設
日本胸部外科学会認定医認定制度指定施設
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医制度認定施設

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